ワインの輸送はリーファーコンテナorドライコンテナのどちらが良いか

コンテナ船

私事ですが、最近ポルトガルからのワインの輸入と酒販店様からの依頼でイタリアからのワインの船積みを同時並行で進めておりパニック状態に陥っております。。。

ワインの船積みに関して20年以上の論争が繰り広げられているのがドライコンテナかリーファーコンテナのどちらを使うべきかという話です。

※ワインを輸入するときには、ワインをコンテナという大きなケースに入れて、それを船に積み込みます。ドライコンテナというのは冷蔵機能のついていない普通のコンテナで、リーファーコンテナというのは冷蔵機能のついているコンテナを指します。

ドライコンテナ

ドライコンテナ(商船三井さんのhpからお借りしました)

リーファーコンテナ

リーファーコンテナ(商船三井さんのhpからお借りしました)

と、このように、リーファーコンテナはエアコンみたいな装置がついており、温度調節が可能です。食品の輸送に適しており、肉などは冷凍状態で輸送をし、ワインだと15%位に保って輸送をすることが可能です。

それでは、ドライコンテナ派の主張とリーファーコンテナ派の主張をまとめてみます。

 ドライコンテナ派の主張

1.ドライコンテナの方が安い。
2.日本以外の国はドライコンテナを使ってワインを輸入している。
3.喫水線以下(船の下の方)に積めば温度は上がらない。

とドライコンテナ派の主張はこのような感じで、一番のメリットはコストが安いという事にあります。生産国のワイナリーが特にドライコンテナを薦めてきます。

 リーファーコンテナ派の主張

1.ドライコンテナは船の一番上に置かれてしまうと、温度が80℃位まで上がってしまい吹きこぼれてしまう。
2.ヨーロッパから日本へ来る船は赤道を2回横切るから、すごくリスクが高い。
3.ワインの下の方に積んでいても、シンガポールで積み替え等をしたときに別の場所に移動させられてしまうし、そもそも積み場所を指定するのは超先進国の港くらいしか無理

との主張です。品質を重視するならリーファーコンテナの方がどう考えてもよさそうです。

 

 実際の所はどうなのかと申しますと

これまで、ドライコンテナで運んだワインも何度か飲んだことがありますが、感覚といたしまして、ドライコンテナのワインはロット毎のバラつきが大きいように感じます。普通に飲めるものもあるのですが、たまに酷いワインに当たったりするのですが、おそらく船の上でどの部分に積まれるのかによるのかなと考えております。

ワインは15℃で輸送されて日本の倉庫でも15℃程度で保管されることが多いのですが、ポルトガルのワイナリーでは普通に20℃前後の気温でも作り置きをされて、それらのロットから出荷されています。(ポルトガルでは大昔からこの気温の下で作っている、15℃を上回ったらすぐにワインがダメになるということはないです。)よほど特殊なワインでない限り20℃前後では劣化はしません。

しかし、30℃を超える環境に置かれると話は違います。30℃を超えると急速に品質が劣化すると言われており、私の経験上、真夏の30℃を超える環境(自宅です)に置いておいたサンプルのワインの味は確かに劣化をしておりました。

ポルトガルワインの崖の上では30℃を超える環境だけは絶対に避けなければいけないと考えておりますので、船積みは必ずリーファーコンテナを使うようにしています。一方、秋冬シーズンなど平均気温が15℃を下回るような環境では、国内配送に関しては冷蔵機能のない通常配送でもまったく問題ないと考えております(外気温の方が低かったりするので。。)。

ワインの温度管理についてはこのような感じで考えております。

 

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ワインの輸送はリーファーコンテナorドライコンテナのどちらが良いか への2件のフィードバック

  1. すぎやま のコメント:

    コンテナ船社に在籍する者からコメントさせていただきます。
    コンテナによる輸送は、倉庫から陸送、港での留置をへて本船に積載され、その逆の順序で荷渡地に輸送されます。この区間のうち、最も温度変化の影響を受けるのは、コンテナヤードの蔵置期間です。当社にて赤道直下で24時間アスファルトの輻射熱を受ける状態で実験いたしましたとところ、コンテナ庫内は摂氏65℃程度に達することがあります。一方、コンテナ船上での温度は、最上段で直接日光を受ける場合天井部分が70-80℃ になる場合もありますが、殆んどの場合は船倉またはデッキ上でも上にコンテナが積載される状態になりますので、せいぜい外気温程度です。船倉の場合は、海水温に近似します。
    問題点としては、輸送区間中に個々のコンテナを何処に積載・蔵置されるかを(貨物の性状に合わせては)コントロールしないことにあります。これは、得られる運賃収入では貨物の選別コストまでが賄えないからです。船会社は、コンテナの中身が何であるかを確認することはできず、中身は何かを荷主より自主申告されている(SAID TO CONTAIN)立場であり、全ての荷主には「輸送環境を含め、コンテナの輸送に適した荷姿で荷物を積載する」ことを約款に謳っています。
    従い、そのような不安定な輸送環境を嫌う荷主は、ドライコンテナより安定した温度環境を、多Q会運賃の冷凍コンテナ使用で買う、ということになります。
    上記見解がお役に立てれば幸甚です。

    • 佐野裕 のコメント:

      すぎやま様

      コメントいただきありがとうございます。勉強になります。ワイン輸送においてポルトガルからの船はシンガポールでトランジットする事が多く、赤道付近なので危険ですね。5年ほど前になりますが、ドライコンテナと断熱材で十分というワイナリーの言葉を信じて輸送をした結果、ワインの3割程度で液漏れが発生するという最悪の事態が発生したので、それ以降はすべてリーファーコンテナで輸送をしております。確かに保険代みたいなものですね。

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